[クラッシュシンドローム]
災害時に多く発生するクラッシュシンドロームについて説明します。これは、クラッシュ症候群とも挫滅症候群とも言われます。
大震災等で、がれきで四肢が長時間挟まれた場合、筋肉が直接圧迫されて損傷する場合と、圧迫により筋肉に血液が供給されなくなる血流障害の問題が発生します。
完全に血流が遮断されると、筋肉は4〜6時間で不可逆性の壊死になります。筋肉が壊死すると筋肉細胞が破壊されて、カリウム等が細胞外に出ます。この状態で圧迫が解除されると、カリウム等を含んだ血液が全身に回ります。最も重症の場合は、心臓が止まってしまいます。
がれきの下敷きになって数時間経過した人の場合、圧迫を取り除く前に止血帯などで圧迫し、血流を再開させないように処置しなければなりません。これは高度に専門的な処置を必要とする状態なので、救急隊や医師の到着を待ち対応していただきます。
救急隊や医師の到着の前に行えることは、カリウムを含まない水を与える、保温・加温する、元気づけることで、未処置の状態で四肢の圧迫を解除しないことです。
参考文献 日本防災士機構 「防災士教本」
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