[民法改正案 記名式所持人払証券]
民法第471条を削除し、これに代えて、記名式所持人払証券について、次のような規律を設けるものとする。
(1)ア 記名式所持人払証券(債権者を指名する記載がされている証券であって、その所持人に弁済をすべき旨が付記されているものをいう。以下同じ。)の譲渡は、その証券を交付しなければ、その効力を生じない。
イ 記名式所持人払証券の所持人は、証券上の権利を適法に有するものと推定する。
ウ 何らかの事由により記名式所持人払証券の占有を失った者がある場合において、その所持人がイの規定によりその権利を証明するときは、その所持人は、その証券を返還する義務を負わない。ただし、その所持人が悪意又は重大な過失によりその証券を取得したときは、この限りでない。
エ 記名式所持人払証券の債務者は、その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生ずる結果を除き、その証券の譲渡前の債権者に対抗することができた事由をもって善意の譲受人に対抗することができない。
(2)(1)の規定は、記名式所持人払証券を目的とする質権の設定について準用する。
(3)指図証券(4)及び(5)の規定は、記名式所持人払証券について準用する。
上記は、法務省発表「民法(債権関係)の改正に関する要綱案」(平成27年2月10日決定)の内容の一部です。今国会に提出され可決された場合、施行は2〜3年後の模様です。
(参考)
現行の民法471条
前条の規定は、債権に関する証書に債権者を指名する記載がされているが、その証書の所持人に弁済をすべき旨が付記されている場合について準用する。
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